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プライオリティ方式の磁気研磨法とは、磁気研磨機「プリティック」を使用して、磁性素材からなる複数の針状メディア(SUS304を磁化したもの)が、洗浄液のなかで高速流動しながら、ワークの外周や内面および凹凸部分の微細・微少なバリ取りと、同時に仕上加工も精密に行なうことのできる画期的研磨方法である。
 なお、磁気研磨機プリティックは、日本、米国、欧州において特許を取得し、欧州CEマーキング認定も取得している。

磁気研磨機の概要


左に磁気研磨機の構造を示す。本機は研磨槽の下に磁気盤が内蔵されており、その磁気盤を回転させることによってN極とS極が交互に変換する。
そして、この高速かつ均等に変換する磁場の状態の中で、磁性体メディアは、近づいてくる異極の強弱の磁力線から影響を受け、引寄せられながら、瞬時にN極、S極に対して鎖状に連結、反転を交互に繰り返す運動を行なう。
そのときのメディアの個々の動きは不規則であり、洗浄液の中で高速回転するため、目視での確認はできないが、その不規則な動きをメディア1本1本が行なうので、容器の巾に複雑な水流ができる。
そして、磁性体メディアは、複雑な水流の中でワークの外周、内面に数万固から数十万回と接触することになる、この接触作用によって、従来から非常に困難とされていたパイプの内血やスリ割り部分、手の届かない細部のバリ取りおよび研磨加工が可能となった。

プライオリティ方式磁気研磨法の活用事例

加工素材として銅および銅合金、アルミニウム、ステンレス、亜鉛ダイカスト、マグネシウムなどの金属素材および硬質プラスチックの微細・微小バリ除去と精密研磨加工が可能である。

1,複雑な形状のワークでも均一に研磨し、表面仕上げ上げの向上を目的とした加工。
2,パイプの内面や部品にある縦穴、横穴にできるバリおよび交差バリの除去加工。
3,素材の表面硬化を目的にした加工。
4,素材のスを露出させることを目的としだ加工。
5,金属と異素材(ゴム、ガラス、テフロン)が組み込まれた部品において、金属部分だけのバリ取りおよび表面処理を施す加工。もちろん、この場合素材を変化させない。
6,送りねじなどの加工時にできる、山から谷に見られる剥離部分の除去(写真1)

(写真1)    
処理前 7分後
送りネジ(黄銅)の加工時にできる剥離の除去例
以上、それぞれの加工において高品質の成果が現われる。また治具などを使用することにより、さまざまな形状の加工も可能である。
従来、ねじ部のバリ取りは、時間をかけると山の部分が丸みを帯びてくるため、谷の部分にあるバリや切りくずの除去が非常に困難であった。しかし、磁気研磨機を使用すれば、ねじの規格寸法を損なうことなく、谷から山へかけての切りくず除去やバリ取りを簡単に行うことができる。また、剥離を起こしている面の表面仕上げの向上にも最適である。
写真2〜写真4は,それぞれの索材の処理前と処理後の状態を示す。
(写真2)    
処理前 10分後
硬質プラスチックのバリ取り加工例

(写真3)    
処理前 3分後
亜鉛ダイカストのバリ取り加工例

(写真4)    
処理前 5分後
黄銅切削加工品のバリ取り加工除去例

磁気研磨機プリティックの新しい発見

   鉄系の研磨も行える「スライダーの誕生」

これまで、素材,形状,寸法の異なるさまざまなワークについてバリ取り加工テストの依頼があった。そのつど使用機械やメディアの種類を厳選して加工試験を行ってきた。
当初、テスト加工において手の中に入るサイズであれば、部品によっては一度に数百から数千もの加工が可能であったが、部品サイズが約30cmを越えると加工が不可能になるという状態が起こった。
もちろ既存の機種の中には小、かな大きな部品まで加工可能なタイプもあったが、長尺モノだけは困難を極めた。
その理由として、磁気盤は円形であり、軸を中心に回転しているので、中心部には磁場が発生しないことが考えられた。そのため、大きな機種であっても加工不可能な部分ができてしまうからである。
この問題点を解決するために、磁場を移動させる方法が採用され、新機種の試作に入った。その際、磁場の移動がどの程度であれば、磁力線を有効に活用できるかが最大のポイントになった。
試作機ができあがると部品のテスト加工を繰返し行なった。磁場の移動する距離や磁気盤からメディアまでの最適な距離などを算出するためである。このテスト加工の繰返しによって、完成までにかなりの時間を要したが、その加工試験の際に予期せぬ効果が得られた。
それは、いままで困難であると思われた鉄素材の加工ができるようになったのである。
     
処理前 10分後
SK材のバリ取り加工例


磁気研磨機のメディアは磁性素材からできているため、鉄素材の加工の場合、メディアが栗のイガのように、あるいはウニの針のように部品全体を覆ってしまい、さらに研磨槽内の容器の底にまで張り付いて、およそバリ取り加工などできる状態ではなかった。
ところが、磁場を移動することにより、この問題がみごとに解決したのである。
容器の中の磁性素材メディアは、磁場の移動に伴って鉄素材の部品から離脱し、波打ち際の砂のように洗浄液の中でさらに大きく移動する。その繰返しにより、鉄素材のバリ取り加工が行なわれる。このように、これまで不可能とされていた素材やサイズのバリ取り加工も可能になった。また、それぞれの部品に適含した大きさの容器に入れたり、治具を工夫することにより、これまで以上の効果的なバリ取り加工が可能となった。
 そして、この新しく開発された機種を「プリティックスライダー皿」の名称で発表、販売することとなった。

プリティック スライダーIII
鉄系の磁気研磨を可能にした。
今後、プライオリティ方式の磁気研磨法をさらにに発展させるため、新しい可能性を求めて研究開発を続けることがこれからの課題であると考える。

(株)大河出版刊 ツールエンジニア2001/5月号 プライオリティ中野 修 記「超精密バリ取り加工と磁気研磨法」より)

 

 
 
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